波留須旅衣とビリーズの仲間たちがクラシックロングボードやハルスタビーに乗り、日本を旅しながらスタイルの確立を目指す。

さあ、理想の船底デザインで驚異のスピードと回転性を手に! ~ミニシモンズの知られざる秘密とは~

ミニシモンズの回転性は、驚異的だ。見た目は、ロングボードを真っ二つに折ったみたいである。そんなミニシモンズのデザインを紐解いていく。

 
ハル
ミニシモンズは、最近では海でもよく見かけるようになりました。そんなミニシモンの専門家である弧速 士門(コバヤ シモン)をお呼びしています。
シモン
拙者、弧速 士門と申す。ミニシモンズのことなら私に聞くでごわす。
 
ハル
それでは、よろしくお願いします。

ミニシモンズというサーフボード

ミニシモンズというボードをご存じであろうか。

ロングボードを真っ二つに切断して、フィンを二つ取り付けたようなデザインである。

このボードの特性は、スラスターと言われる、いわゆるショートボードより短いものが多い。しかし、浮力はファンボードと遜色なく、一番の魅力は回転性にある。

直進性を犠牲に、最大限の回転性を導き出した様なボードだ。しかし、ボードの幅は、ロングボードに近くテイクオフの際に、波からもらえるパワーは多い。

 
ハル
なぜ、直進性がなくなるのですか。
シモン
それは、ロングボードを真っ二つにおったようなボードであるため、長さが短くなる分、直進性は犠牲となるでごわす。その分、驚異的な回転性を手に入れているのでごわすが。

このため、小波でもテイクオフは速い、波によってはブレイク前のうねりの段階で乗れたりもする。

また、速いブレイクにも対応でき、吉浜のコシ以下のダンパーに近い速いブレイクとの相性もよい。

ミニシモンズはとても不思議なボードであり、セカンドボードとして、ロングボーダーにもショートボーダーにもマッチングすることは間違えがない。

ボブシモンズ

ミニシモンズというボードを理解するには、このボブシモンズというサーファーを知る必要がある。

ボブシモンズは、1919年ロサンゼルスで生まれた。シモンズは10代の頃、ガンを患い足を切断する手術しなければならない診断を受けていた。

しかし、カイロプラクターの医師と出会い、自然療法により、その腫瘍は完治した。

シモンズはカリフォルニアでサーフィンをしていたが、中空のパドルボードを設計するなど自らボードも削っていた。

カルフォルニア工科大学を卒業したシモンズは、とても優秀な数学者であった。その知識をボード造りに活かしてきた。

特に影響を受けたのは、マサチューセツ工科大学のロード博士が発表した文献だったという。

ロード博士は海洋設計士の第一人者で、第2次世界大戦中の高速攻撃艇の船底研究を海軍の莫大な研究費を使って進めていた。

これは、サーフボードを使用して実験を行い、攻撃艇としての運動性能や、スピード等あらゆる条件を兼ね備えた理想の船底デザインが一冊の本で解説されていた。

高速艇を設計するものであったがサーフボード造りに応用するには十分すぎるものであった。

シモンズは、この流体力学の理論をボードに応用し、グラスファイバーとレジンにより、高速のサーフボードを作り上げていった。

シモン
ミニシモンズにのるなら、ボブシモンズは知っておきたいでごわす。

近代サーフボードの基礎を確立

シモンズのボードは、他のボードと比べて断然スピードが速かったという。

フォームとベニアを利用したボードを開発し、100本ものボードを造った。

しかし時間の経過とともに剥離し、ボードに水が侵入してしまったため、この方法でのボード造りは断念して、バルサ材によるボード造りに戻った。

そして、ハイドロダイナミック・プレイニング・ハルと呼ばれるボードを造った。

これは、11フィートのバルサボードであった。ノーズからテールにかけてコンケーブとフィンにはツインのキールフィンがつけられていた。

シモンズはこのボードだけは最後まで手放さなかったという。シモンズは若干35歳の若さでこの世を去った。

しかし、彼が近代サーフィンへ与えた影響は図りしれない。

そして今も、ボードのデザインの代名詞として今後も語り継がれていくのであろう。

シモン
ボブシモンズのことは、サーフ’60sスタイルで詳しく知ることができるでごわす。

参考文献(文=ジョン・エルウェル、「サーフ’60sスタイル」、枻出版社)

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