由比ヶ浜に集う
前線や上空の気圧の谷の影響により、強まった南風が翌朝には北へと変わり、ハラ~ムネといったファンウェーブが由比ヶ浜に届いた。そんな早朝が、このGW中は何度か続いた。由比ヶ浜は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策のため、地下駐車場が閉鎖となっている。
このため、通常のGWに比べるとサーファーが密集することもなく、程良く波に乗ることができた。そんな感じで由比ヶ浜でのサーフィンは、リラックスしていて仲間とゆっくり話をしながら波乗りをするには、申し分ない環境となった。その環境をビリーズの仲間たちが逃すはずはなく、申し合わせすることなく自然とこの地に集まってきた。
進化成長
ビリーズの仲間とは、苦楽をともにしてきた。時には同じ釜の飯を食べともに成長してきた。一時的にサーフィンから遠のく仲間もいたが、あるタイミングで必ず海に戻ってくる。それは、結婚や子供の成長、仕事の変化とともに、サーフィンから遠のく期間があれど、それでも海に戻ってくる。
由比ヶ浜には、そういった仲間たちが自然と集結した。みんな家族を持ち、仕事や家族サービスの合間をぬって自分の大切な時間を確保している。そのスタイルは、まさに日々、進化成長を繰り返しているのであろう。波乗りのスタイルも変化してきた。
それは、年齢とともに動かない体にムチを打つのではなく、年齢を重ねて無理ができなくなった身体でも、スタイリッシュな波乗りができるようにボードを選択する大人のスタイルにである。いい年齢に達した大人のサーファーが、いつまでもスラスターを若者同様に格好良く扱うことは困難であろう。
大人には大人の波乗りがある。たとえば、ロングボードであれば、クラシック系であったり、短い板を取り扱うにしても、厚みのあるツインフィンやボンザーといったミッドレンジが適するだろう。
ハル三昧
大人のサーファーが乗るべき一本があるとするならば、それは間違えなくハルスタビーである。この板は、自ら動かす必要の少ないボードであり、逆にエッジを効かせたアップスンダウンをしようものなら、必ず手痛いしっぺ返しを食らう。では、なぜ大人のサーファーが乗るべき板なのか。それは、精神性に他ならない。人生の酸いも甘いもを知った上で、自己の魂をコントロールできなくては、ハルスタビーを乗りこなすことはできない。
いつも人に流されているようマインドでは、ハルスタビーごと流される。日々の瞑想がハルスタビーを我が手中に収めることができる。ハルスタビーは、人間のエゴを許さない。心に不安や恐れといった雑念が一つでもあれば、ハルスタビーに乗らされるだけであり、酷いときにはその心と同様のワイプアウトが待っている。波と同じ高い波動に自己の感情を合わせシンクロさせてこそ、ハルスタビーは乗りこなせる。
そんなことを思いながら、仲間とのハル三昧のサーフィンを楽しんだ。