1950~60年台のサーフボードのフィンは、ほとんどがハーフムーンフィンであった。このハーフムーンフィンを前後反対に取り付けたのが、リバースフィンである。このフィンの最大の特徴は、ドライブしにくいことにある。逆に言うと楽にターンできるということだ。
リバースフィンの特徴
リバースフィンは、もともとハーフムーンである。ある一説によるとフィルエドワードが前後誤って取り付けたところ、サーフィンしてみると、意外や意外とても調子がよかったとか。実際に乗ってみると、とても調子がよい。
60年代のロングボードは、現在のクラシックロングボードより遙かに重い。ボトムを見てみるとコンケーブは、いっさい入っていない。レイルも50/50のごんぶとレイルである。
『丸太』と言う表現が一番しっくりくる。このため、ターンにおけるフィンへの水圧は、とてつもないものになる。
このため、フィンもペラペラでは耐えられない。ある程度の面積と強度が必要となる。フレックスは必要ない。それよりも強度だ。故にレイクも必要がない。ターンがし難くなるだけだ。そうなってくると一番相性がよいのは、このリバースフィンと言うことになってくる。
60年代のロングボードでドライブは必要ない。それよりも、ピポット系のターンができればよいのである。
リーバースフィンの回転性としての特徴は、ピボット系にある。
フィンの特徴として、もう一つ大切なことが直進性である。パドル時の安定性と波のフェイスを走っているときの直進性とノーズでのホールド性が重要な要素となる。
パドル時は、レイクのあるフィンの方に軍配が上がるが、リバースフィンが劣っているということではない。直進性にノーズでのホールド性も十分である。しかし、私が持っているヴィンテージボードは、ピッグでありノーズがかなり細くなっている。
このため、ノーズライディングが非常に難しい。ノーズのコンケーブが入っているわけでもないので、ノーズまで歩いても簡単にはステイさせてくれない。ノーズコンケーブの重要性が痛いほど実感させられるのだ。リバースフィンの直進性とノーズでの安定性は、かなりのものがあると思う。
今度は、別のボードでテストしてみたい。
Hobieでフィンを購入
リバースフィンは、藤沢にあるサーフショップ『Hobie』で購入させていただいた。Hobieの歴史は古く、1953年にカルフォルニアのラグナビーチでスタートし、創業者のホビーアルターは世界で初めてフォームを材料にボードをシェイプした先駆者である。
詳しい話は、Hobieの公式サイトのリンクを張り付けておくので、こちらで確認されたい。
購入するフィンは、通常のハーフムーンフィンかリバースフィンかでとても悩んだ。どちらもRFC(レインボーフィン)でカリフォルニアで40年以上の歴史を持つメーカーであるので、どちらを選んでも間違えはないと思った。
後は、フィーリングの話になるが、店長さんにもご知見を頂きながら、最終的にはリバースフィンに決定をした。フィルエドワーズが、前後誤って取り付けたフィンが、このリバースフィンであることも教わった。
この笑い話のようなエピソードであるが、ここまで調子の良いフィーリングのフィンが出来上がるのも、サーフィンの面白さと奥深さなのだと感じた次第である。