サーファーのスキル
海でサーファーのスキルを把握するの手っ取り早いのは、ライディングを見ることである。
また、上級者は、パドリングをする姿をみただけでもスキルがわかってくると言われる。
では、海に入る前のサーファーはどうか。これは、フィンセッティングを見るのが手っ取り早い。
入るポイントの波の特性と当日のコンディションにあわせて、ボードとフィンをどうチョイスしているかで、そのサーファーの力量が推し量られてしまう。
どんなに外見を取り繕うが、一瞬で見抜かれてしまうのが、サーフィンの恐ろしいところだ。では、どうすればよいのか。
答えはひとつである。
フィンを知ることだ。ボードの性能の半分以上を司るのがフィンである。嘘だと思うのなら、フィンを付けずにサーフィンしてみることだ。これを実践すれば、フィンの重要性はご理解いただけるであろう。
今日は、このフィンについて紹介したいところであるが、あまり多くを語っても奥が深すぎるため、昨日手入れをしたボードにセットされていた70年代のフィンに焦点をあててみたい。
70年代のフィン
70年代のフィンを知るには、比較の対象があることが望ましいので、現代、世界でもっとも人気のあるフィンのひとつであるジョージグリノーフィン(4A)と比べることにした。
ジョージグリノーフィン(4A)の特性は、過去の投稿で紹介しているので、詳しくはこちらを参考にしてもらいたいが、マグロやカツオのヒレのようなフィンとイメージしてもらえればよい。
対照的に、70年代のフィンは、分厚く無骨で、シーラカンスのヒレのようなイメージといって伝わるであろうか。フィン全体に厚みがあり、高さがなく、しなりもない。ゴツくて、パンチはありそうだが、高さとしなりがない分、回転性はよいがドライブが生まれにくい特性がありそうだ。
昨日紹介した極太のかまぼこレールにスワローテールのボードであれば、このフィンのデザインは、非常にマッチしている。進化の過程にあったボードとフィンであるが、とても考えられて作られていると感じた。
フィンを知るには
フィンを知れば、知るほどサーフィンに深みがでると思う。ボードもそうだが、どんな波でも乗りこなせるマジックボードなど存在しない。
それは、ゴルフで例えるなら、18ホールをドライバー1本でラウンドするようなものだ。
昔、そのようなマンガがあったが、実はプロゴルファー猿もドライバー1本だけでゴルフしていたわけではない。
不調に陥った時は、職人からパター『正宗』を削ってもらった。シューズすら履かないプロゴルファー猿でも、クラブは使い分けるのだ。
われわれ、サーフィンの素人が、1本のボードであらゆるコンディションの波を乗りこなせるハズがない。このため、道具に助けてもらうしかないのだ。そのためには、ボードの性能をその日の波のコンディションにあわせて最大限発揮してもらうためには、フィンのセッティングがいかに重要かが理解いただけたのではないか。
今回だけでは、フィンの基本を伝えることは出来ないので、この点については、BLUEの2019年8月号を参考にしてもらえれば、フィンの面白さが倍増すること間違いなしだ。