ボード手入れ
しばらく、サーフィンをしていない。
こんな時は、ボードを手入れするか、サーフィンのDVDを見るかの2択となるが、今回は、ボード手入れに軍配が上がった。
ボードラックを作成してから、一本だけラックにしまわず玄関においていたボードを手入れしようと思う。
これは、70年代のボードであるが、PU(ポリウレタン製)のブランクスにエポキシ樹脂でラミネートしたものだ。まあ、とにかく頑丈であるので、サイズがあり大潮の干潮、リーフポイントでも気にせず突っ込める。
今日は、取り急ぎワックスを剥がして、ヒビが入っていたテイル部分のリペアとフィンを取り外して水拭きをした。
ワックスを剥がしながら思ったのは、この年代のボードは、とにかく分厚く、こんな板でよくサーフィンできるものだと関心させられる。
ここで、少しだけボードの特性に触れてみようと思う。
70年代シングルフィンの特性
長さは、6.8フィート(2mぐらい)で、幅50cm、厚みは7.5cmである。ウイングノーズ、かまぼこレール、スワローテールで、ボトムはコンケーブが入っていないフラットな状態だ。最大幅はノーズから1/3付近のため、ターン性は、極めて低い。
70年代当時からサーフィンされている方に聞くと、これが普通のショートボードだったという。このボード、テイクオフは、速いとは到底いえない。しかし、パワーがあり、少し掘れた感じの波質とは相性がよい。レール極太のかまぼこレールでエッジはない。
このため、アップスンダウンもコツがいる。エッグボードやツインフィンの様にはいかない。ガンボードとハルスタビーの中間の様なイメージだが、両方の板が特殊なため、イメージがつきにくいと思う。まあ、とてつもなく加速しにくい板と思ってもらえればいい。
しかし、ある程度のパワーのある波であれば、若干スタンスを広めにとり、ダウンザラインで初速がつけば、そこからの加速やボトムターンにトップターン、カットバックも可能である。
なぜこのボードに乗るのか
このボードは、正直いって、決して調子のよいボードではない。
ボードを責める訳ではないが、当時の技術では、これが最善のデザインであり、最高の技術で作られていたものである。
ロングボードからショートボードへの変革の時代のボードに乗ることで、ボードへの理解がいっそう高まる。
このため、サイズが上がったら、必ずこのボードを試している。非常に難易度の高いボードだけに、乗りこなした時の快感は特別なものがある。
膝腰の波では、テイクオフして岸までたどり着くことが限界である。しかし、ハラ以上になるとアップスンダウンによる加速も出来てくる。
このボードを乗りこなすこともクラシックロングボードをスタイリッシュに乗りこなすための試練のひとつだ。