この旅のスタイルから始まる

旅の出会い

幼少の頃、1年に一度は全国各地を転々としていた。

  • 北:北海道帯広(豚丼、銀の匙で有名)
  • 南:九州熊本(馬刺、くまモンで有名)

この二つの土地は、意外に関係が深い。

帯広には、ばん馬(ラオウの愛馬:黒王号の様な出で立ち)と言われる競走馬が480kg以上の重さのソリを引きながら力と速さを競うレースがある。

この『ばんえい競馬』は、帯広市が主催する地方競馬で世界的に見ても例がないレースであり、1tを超えるばん馬が、500kgを超えるソリを引っ張り、競い合う姿は圧巻である。

しかし、このレースに敗れ続けたばん馬は、可愛そうだが食用として売られてしまう。

珍しいばん馬の頭蓋骨の標本

熊本で消費される馬刺しの約6割は、このばん馬である。

熊本出身者としては、帯広に足を向けて眠れない思いだ。

くまモンにも帯広を訪れた際は、帯広市民に御礼を言ってもらいたいものだ

日本一冷たさか!? 極寒の海での波乗り

所帯を持つ様になった私は、今も数年に一度、家族を連れて転勤を繰り返している。

冒頭の写真のポイントは、北海道は十勝の南に位置する広尾町のフンベの滝ポイントだ。

北海道 十勝 日高山脈 フンベの滝 サーフ 凍る滝
黄金道路沿いのフンベの滝

ここフンベの滝は、冬になると滝が全て凍りつく程で、極寒の厳しさを物語っている。

春も後半になると少しずつサーファーも増えだすが、日高山脈からの雪解け水は、想像を絶するものである。

初夏に一度キャップを被らずドルフィンスルーをしたことがあるが、一度だけでも、かき氷を一気に3杯食べた時ぐらいの、頭がかち割れるほどの痛さを体験した。

波はムネ前後、2段3段と次から次に波が打ち寄せて来ていたので、迷うことなく波に背を向け、スープに揉まれながら一目散に岸へと駆け上がった。

半分意識が失いかけていたが、なんとか岸へと上がることができた。

しかし、たった一度のドルフィンスルーで心が真っ二つにへし折られてしまった。恐るべし日高山脈の雪解け水である。

雄大な日高山脈

キャップをかぶりリベンジ

その後は、しっかりキャップをかぶり、サイズはあるもののブレイクはメローな波質であったため、その恩恵は存分に堪能させて頂いた。

この海は、昆布漁が盛んで、漁の時間帯は波乗りができないが、一定の漁が終わると波質が変わってくるのがおもしろい。

漁が行われる前の波のブレイクは、とてもメローでクラシックのロングボーダーにはたまらないブレイクだ。

漁の最盛期を迎え、昆布がなくなる頃には、シェイプは整えられ、本領を発揮し始める。そうなると、短いボードが役に立つ。

幼少の頃に育った帯広であったが、所帯を持った私が、縁あってこの地で生活をし、巡り会えた波である。

人との出逢い、また、波との出逢いも一期一会である。引っ越しも、一つの旅のスタイルとも言えよう。

これからも素敵な出逢いを求め、旅を続ける。