ディスプレイスメント・ハル
数年前までは、特集を組まれたりしていたディスプレイスメント・ハル(ハルスタビー)だが、あまり見かけることが少なくなってきた。
そんな中ではあるが、今年にはいってすぐ、Blueの2月号でディスプレイスメント・ハルの記事が書かれていた。
Blueの記事は、おもしろい。サーフィン史には、ロマンがあり、歴史を動かしたサーファー、シェイパーの語り継げれるストーリーも感慨深い。中でも、サーフボードとフィンの記事は何度も読み返してしまう。
わたしは、ボードの進化の歴史やボードやフィンの特性に興味があり、最も参考としている文献だ。
そのBlueで久しぶりにディスプレイスメント・ハルの記事が7ページにわたり記載された。マイノリティーであるハルの継承と進化について書かれているため、ハルファンは是非、一読してもらいたい。
カリフォルニアサーファー
わたしの憧れるサーファーの1人にジミー・ガンボアがいる。ワンカリフォルニアデイというサーフィン映画をみて、彼の虜となった。
この映画は、1950年代から受け継がれるサーフィン文化を築くカリファルニアの日常の一日が描かれている。過去、現在、そして未来へと続くサーファーが出演しているジョエルチューダーにアレックスノスト、タイラーウォーレン、レジェンドのランスカーソン、スキップフライといった新旧の伝説級のサーファーたちが登場する。
そんな素晴らしいサーファーが出演する中、ジミーガンボアライディングに目が奪われた。互いに波をシェアしながら、クラシックロングボードを操り、マリブの波をノーズライディングを決める姿は、見事としか言いようがない。
そして、一枚のシンプルなボードを抱えて登場するのだが、一見エッグボードの様に見えるかもしれないが、これこそがディスプレイメント・ハルである。
ハルスタビー
ハルスタビーで波のウォールをものすごいスピードで抜けていくジミーガンボアのライディンに魅了される。
この際、無駄なアップスンダウンは、一切していない。そうせずとも、ハルスタビーがこのスピードを生んでくれる。例えジミーガンボアであったとしても、ほかのボードでは、このスピードを出すことは出来ない。
これこそが、ハルスタビーの特性である。このスピードをコントロールしボトムターンにトップターン、カットバックするジミーガンボアのライディンは見事だ。
このハルスタビーを操れれば、クラシックロングボードの乗り方がスムーズになると、わたしは体感している。
ハルスタビーを乗りこなすことは、クラシックロングボードのスタイル確立のための登竜門だ。