ナンバでハルスタビーを乗りこなす。歩き方と波乗りの関係性とは。

日本人のアベコベな文化

昔の日本人の文化は、不思議なことが多い。

なにが不思議かというと、西洋文化と、なにもかもがアベコベなのだ。これは、久里浜にペリーが来航する依然の日本の文化であるが、歩き方ひとつとっても、日本人の歩き方は、『ナンバ歩き』と言われる片側の手足が同時に進む方法であった。卒業式の時、緊張して右手と右足が同時にでてしまう、違和感たっぷりの、あの歩き方だ。

『ナンバ』が、日本人の本来の歩き方であるのは本当か。そんな疑問が聞こえてきそうだが、日本の文化を紐解けば、その仮説があながち間違えとも言い切れない。

日本の歌舞伎には「六方(ろっぽう)」という名で、同じ手と足を動かす歩き方を読んでいる。

古武術や剣舞においてもナンバを稽古する。袴に脇差しをさし、着崩れをしないためには、胴回りをねじらないようにしなければならない。着物を着る女性の歩き方もそうであろう。

力士の動作についてもそうだ。また、飛脚の絵を見ても解るように、走法についてナンバであるのだ。

ナンバと行進歩き

鬼滅の刃を見ている方は想像つくかもしれないが、刀を振るう姿もナンバである。

日本人にもっとも馴染み深い歩き方は、ナンバなのである。

では、手足がバラバラに動く行進歩きには、どんな特徴があるのか。

一番説明がつくのは、軍隊の行進ではないであろうか。軍隊は、指揮官の命令号令に兵隊が迅速に行動する。人間は、常日頃から様々なことを頭の中で考えている。しかし、この行進歩きでしばらく歩いていると、思考が停止してくる。故に、指揮官の命令号令に即座に反応出来る態勢ができあがる。こうした特徴が行進歩きにはあるのだと筆者は考える。

侍の様に個の力が重視されていた昔の日本の文化から西洋の軍事力の追いつくため、組織の力が必要となり歩き方ひとつも変わってしまったのだ。

アベコベなサーフボード

ここでは、ナンバと行進歩きとどちらが良いという議論をするつもりはない。

そうではなく、通常のサーフボード(コンケーブ)とハルスタビー(コンベックス)の乗り方の違いが、この歩き方の違いに大きく関係していることを伝えたいのだ。

なぜ、歩き方とサーフボードの乗り方に関連性があるのか。それは、重心にある。

行進歩きは、前に進む推進力としてつま先を使うため、つま先重心といえる。反対にナンバは摺り足のため、足の中央から踵重心となる。このイメージが理解でき、ナンバを取り入れることの出来るサーファーは、ハルスタビーを乗りこなす資格を得ることが出来る。

通常のサーフボードには、レールにエッジがついている。このため、レキュラー方向のボトムターンでは、重心を低くし、つま先に重心を移すことにより、ボードにパワーを伝えて推進力を得る。

ハルスタビーで同じことをすると酷いパーリングをする。ハルスタビーでは、足の中心から踵体重をキープする。これだけで乗りこなせるのだ。

これにより、波の間をワープするような時空を越えた感覚が得られるのだ。ぜひ、ハルスタビーに挑戦する際は、ぜひ、ナンバを思いだしてもらいたい。