波留須旅衣とビリーズの仲間たちがクラシックロングボードやハルスタビーに乗り、日本を旅しながらスタイルの確立を目指す。

MRごっこ

マークリチャーズ

4年連続世界チャンピオンと言う偉業を成し遂げたサーファーである。

当時は、ショートボードレボリューションの真っ直中、重いロングボードからサーフボードは、短くそして、斬新さを増していった。

マークリチャード『MR』は、ベンアイパのスティンガーを多く保有し、愛用していたようだ。特に、プロトタイプのステップデッキと言われるボトム部分に段差がある特徴的なものだ。

また、シェイプにおいては、あのディックブリューワーにツインフィンのシェイプを習い、大切にそのノウハウを磨いていった。ハワイの現地の人にも愛される素晴らしい人間性のサーファーである。

その代表するボードの一つにフリーライドモデルと呼ばれる伝説的なボードが存在する。

フリーライドモデル

MRのシェイプするボードは、一貫している。ベンアイパの系譜を受け継ぐスティンガーからサーフボードレボリューションを経て、ツィンフィンの最上位モデルのフーリーライドモデルに行き着く。

このフリーライドモデルの前後にも、バンブルビーと言われるレトロツインの最高峰のボードであったり、1978年の78モデル、1980年の80モデルと素晴らしいボードがシェイプされているが、最終的には、フリーライドモデルに行き着く。MRの分身と言っても差し支えはないであろう。

MRvsMP

1977年スタビーズ・サーフ・クラシック、その対決は極限までにヒートアップしていた。MRことマークリチャーズは、言わずと知れた4th世界Champである。

一方MPことマイケルピーターソンは、この日を境にサーフシーンから姿を消すこととなる。MPは、強烈な個性と強さで、他を威圧する。また、得意とする超レイトなテイクオフからの爆発的なスピードは、この日も神懸かっていて鋭利な刃物のように鋭かった。

9.0点や10.0点という驚異的な点数を量産し、MRも負けじと7.5点から9.5点と素晴らしいライディングをするも終わってみればMPの圧勝であった。

これから世界を征するMRにとって衝撃的な敗戦であった。

一方MPは、燃え尽きたかのようにその姿を消していった。

戦いを再現

この両名の様なサーファーになることは、私には出来ない。しかし、なりきることは出来る。

私の楽しみの一つではあるが、MRのフリーライドモデルとMPのディスプレイスメントハルを海に持って行き、一人で両名の戦いを再現することだ。とてもシュールな楽しみ方だが、それが楽しくて仕方がない。

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