究極のMyコーヒーを探す旅
コーヒーは、極めて奥が深い飲み物だ。豆の種類だけでなく、同じ豆でも煎り方、挽き方、そして淹れ方でも、その苦味や酸味、香味も変化してしまう。究極のMyコーヒーを求めることは、究極のサーフボード選びに極似している。例え、通い慣れたホームポイントであったとしても、一本のボードで乗りこなせるわけではない。大きい波の時もあれば、胸ぐらいのFunWaveの時もある。かと思えばヒザ前後の力ないブレイクの時もある。ムネぐらいとサイズには問題なくても、強烈なオンショアコンディションも考えられる。この様な時、その波の特性にあわせてボードをチョイスして対応していく他にない。しかし、好みのボードのデザインは、個性が出てくるのであろう。ツィンフィンが好きな人もいれば、エッグのシングルが好きな人もいる。シモンを好んだり、中にはハルを究極に愛する人もいる。好きなボードを見つけることと、Myコーヒーを見つけることは、なにか似た感覚があるのかも知れない。
モカマタリ
極上の一杯を淹れるにあたり、まずは、最良の豆を見つけなければならない。コーヒー豆は、大きく3種類でアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種であり、商取引されてるのはアラビカ種とロブスタ種である。また、コーヒー豆は、世界の約60カ国で生産されており、そのすべてが、北緯25度から南緯25度の間の国々である。いわゆるコーヒーベルトである。生産第1位のブラジル産にするか、世界中を虜にするマイルドな味わいのコロンビア産、英国王室御用達のブルーマウンテンにするか、大いに迷うところだ。私が、最初に選んだのは、世界最古のコーヒーブランド、イエメン共和国の急斜面で育ったモカマタリである。イエメンのモカ港からコーヒー豆の輸出をしていたことから、このネーミングとなったが、コーヒールンバの歌詞にもなっているので、知っている方も多いのではないか。このモカマタリは、甘い香りとフルーティーな香りを合わせ持つ、魅惑的な風味が特徴的である。モカ香とも呼ばれることもある。味は、酸味が強いが、日本人にあった感覚であるので、コーヒーの酸味が苦手な人も、このモカマタリは飲めるという方も多いらしい。酸味、甘み、コクのバランスのとれた味わいが特徴である。500年前から変わらない味であるみたいだ。
コーヒーを淹れる
まず、コーヒー豆の選定が終わった。次に、豆を煎り、挽き、そして、淹れると言う3つの行程が待っている。どの行程も奥が深く、様々試していきたいところではあるが、ここでは、ペーパードリップをする事を前提にした。豆を煎る。私が、一番挑戦したい分野ではあるが、今は、専門家に委ね、中煎り(ハイロースト)で苦みと甘みのバランスをよくした。次に、豆を挽く。私は、手で挽くコーヒミルが好きである。ゆっくり一定のリズムでハンドルを回し、香りを確認しながら、コーヒーを振る舞うひとのことを想い、ゆっくりと回していく。コリコリ、コリコリと音と香りに自分も癒されながら回していく。中挽きで均等に挽いていく。最後の行程だ。淹れると言うことは、コーヒーの持つ成分を余すところなく一杯のグラスにそそぎ込むことだ。苦みや酸味、甘み、そして風味のすべてを注いだ一杯こそ究極Myコーヒーとなる。これを求める旅もまた、MyStyleの一つと言えよう。